Poco a poco 開発秘話Project Story

樹脂加工を専門に行う三優ライト工業ならではの視点から生み出された自社ブランド「Poco a poco」。

社名にちなんだ「環境に優しく、心に優しく寄り添う、優れた製品」をモットーにより良い未来の実現に向けて、それぞれの視点で語ります。

Project Members
  • Project Members 代表取締役 T.M

    代表取締役

    T.M

  • Project Members 開発営業部 A.K

    開発営業部

    A.K

  • Project Members 営業技術部 H.T

    営業技術部

    H.T

  • Project Members 製造部 業務課 M.M

    製造部 業務課

    M.M

  • Project Members Poco a poco事業部 S.M

    Poco a poco事業部

    S.M

  • Project Members Poco a poco事業部 F.J

    Poco a poco事業部

    F.J

BtoC領域の新たな事業「Poco a poco」

T.M T.M

企業としてこれから先を考えた時、自分たち独自の視点で自社商品を開発できればと思っていました。もちろん三優ライト工業と言えば樹脂加工、樹脂成形業がコアなんですが、それだけでは面白くないと思って、メーカーとしてBtoCにも目を向けようということで相談したのが始まりでしたね。

M.M M.M

作業中に言われて最初は「えぇ!」という感じでびっくりしました。

H.T H.T

そうそう。僕も作業している時に言われて「なるほどな」と思いました。

T.M T.M

A.Kにはもう少し前に相談してたよね。

A.K A.K

そうですね。食堂に急に呼び出されてね(笑)。T.Mから「ずっと前々から考えていてやりたかったんや。手伝ってくれへんか?」って相談されました。僕も同じようなことをぼんやりと考えていたので、自社で商品を提供できるようになればいいなと思って聞いていました。

T.M T.M

みんなに相談した時はまだ何も決まってなかったけどね。でも僕一人では進まないと思った。

S.M S.M

当時はいろいろ相談してたよね。

T.M T.M

そうそう。そしたら何気ない会話から社名にちなんだ「三つの優しさ」が良いなとなって「環境に優しく、心に優しく寄り添う、優れた製品」がブランド軸として定められた感じだね。その後ブランドストーリーを考えて、ブランド名もいろいろ出てきて議論しあったね。

A.K A.K

ブランド名はみんなでいろんなアイディアを持ち寄って、話し合ったんですよね。一番印象に残っているのはT.Mの名前からきた「たけちゃんほんぽ」とかね(笑)。

T.M T.M

そうそう。そういうのもいっぱい出し合ったね。最終的に三優ライト工業のアイデンティティと「三つの優しさ」が表現できる「Poco a poco」に決定。誰もが親しめて三優ライト工業の技術力を駆使した商品になるようにと願いも込めつつ。

A.K A.K

最近、「GOOD TOY AWARD」も受賞しましたね。

F.J F.J

そうです!

S.M S.M

はい!今回いただいた賞は、おもちゃの専門家の方々がユーザー目線で評価して下さったことが非常に嬉しかったですね。受賞したおもちゃは、東京おもちゃ美術館に展示してもらうことができます。系列の施設が他の場所にもあり、そこでも子供たちが「Poco a poco」の製品で遊んでくれたり、おもちゃコンサルタントの方が遊び方をレクチャーして下さったりするので、たくさんの方たちに触れていただけるきっかけになると思います。

A.K A.K

1年間展示していただけるので、僕も行ってきました。大人が行っても1日楽しめる場所でしたよ。

S.M S.M

そうなんですよ。昔のおもちゃも置いてあってそれこそベーゴマの変わり種とか!あと、からくり人形や最近流行っているものまで、幅広く展示されていて遊べますよね。

A.K A.K

場所も廃校になった教室を使って展示しているので、雰囲気も楽しめました。なので、次回のギフトショーではもっと大々的にアピールして多くの方々に知ってもらいたいなと思いました!

環境にも使う側にも配慮した優しい商品を目指して

T.M T.M

開発当時、環境に優しいものを商品化しようって動きになっていたけど、どういう素材にするかはいろいろ悩みながら試行錯誤したよね。それこそ最初はひまし油とか別の材料で試してみたりして、いろいろと検討している中で「もみ殻」が良いんじゃないかとなって実際に試作品を作ってみたんですよね。そしたら風合いも良くて、素材から優しさを感じることができて、「Poco a poco」の商品にぴったりだと思って!もみ殻の風合いがそのまま見えてしまうからちょっとだけびっくりした人もいたよ……。

S.M S.M

そうそう!

H.T H.T

なんか汚れがついてるのかな、って感じでしたよね。

T.M T.M

そう。「なにこれ?汚れみたい……。」って言われてどうしようかと思ったね(笑)。

A.K A.K

そうだったんですか!そういう感想の人もいたのは知らなかったですね。

T.M T.M

僕はええんちゃうか!って自信を持ってたんですけど、まぁそれはそれで貴重な意見だったので、例えばカラフルな色でやってみたら印象が変わるんじゃないかと思って実際に作ってみたら良い感じに仕上がったね。

A.K A.K

そうですね。

T.M T.M

あと、やっぱりまだまだ作る側の想いだけでなく、実際に使っていただける方々のことをもっと知ることがブランドづくりには必要だと思っています。知育玩具としてこれからも幼児向け、小学生向け、障害を持つ方々にも使ってもらえるように商品展開していきたいね。

A.K A.K

そうですね。それこそ今では普通に「もみ殻」を使っていますけど、この材料はすごいクセの強いものですよね。一般的に使うかと言われたら使わないですし、嫌がられる材料でもあります。僕も最初にサンプルをもらって既存の金型で試作品を作ってみたんですけど、金型はめちゃくちゃになるし、試作品も汚いし、すぐT,Mに「ちょっとモノにならんかもしれませんわ。」って報告しました。その後もいろいろ試行錯誤しながら試作しているうちにコツを掴み出しまして、大事なポイントを理解して作っていくことで色も形も綺麗なものに仕上がってくれたんですよ!

H.T H.T

ブランド軸の優しいとは正反対の材料で最初は苦戦しましたね。色についての話題も出ましたけど、このPoco a pocoならではの色を作るのも大変でした。

T.M T.M

たしかにね……。いろいろな色を混練機に入れて混ぜてその色を作るんですけど。

H.T H.T

立ち合いも何回したことか……。

T.M T.M

そうそう。もみ殻が入っているからペレットがペレットにならない。粒状にならず線状で出てくるからなかなかうまくペレットができなかったんですよね。

A.K A.K

材料は脆いけど、扱いにくいというやっかいなものでした。

T.M T.M

色もなかなか思うようなものが出なくてね。温度を上げると焼けてしまうのでもみ殻が茶色くなってしまって……。

M.M M.M

そうでしたね。

A.K A.K

着色屋さんの機械も「茶色く染められてしまいました!」って言われてしまい、申し訳なかったなと思いましたけど、お陰で良い色に仕上がりました。

T.M T.M

そんな中でなんとか12色を作って、その中の8色は商品化できましたね。あと4色はこれからどういう風に商品化するかってところ。

A.K A.K

ほんと12色も作れるなんて夢にも思ってなかったですよ!どれだけ頑張っても3色くらいかなと(笑)そしたらT.Mが「いや、できるなら全色やろう!」って言われて。「え、全色やるんですか」って思わず言ってしまいました。

T.M T.M

いや~、やっぱりせっかくやるならいろいろな色があったほうがおもしろいと思って。 そこからチョイスするほうが楽しいしね。そして商品ができていざお披露目のタイミングでギフトショーに参加することになりましたね!

A.K A.K

ですね。最初はほんと右も左も分からなくて、ブースをどういう風に作ればいいのかも分からないし、分からないなりに調べながら、協力してくれる業者さんを見つけて手伝ってもらうことにしたんですよね。そしたら、このギフトショーにかけるT.MとS.Mの気持ちが強くて、業者さんにも強い想いとこだわりを伝えておられました。

M.M M.M

そうそう。結果それが良かったよね!

A.K A.K

T.MとS.Mの意見があったからこそ、より良い形になっていきましたもんね。ロゴやパッケージもどんどん出来上がってきて、今でもお付き合いを継続できているので良い関係です。

今後「Poco a poco」が目指すべき場所

T.M T.M

これからももっとたくさんの商品開発を進めていきたいし、「Poco a poco」だから買いたいって人たちを増やしていきたいと思いますね。そのためにはやはり知名度を上げることも大事ですけど、この製品がどれだけ考えられて作られていて良いものなのか、ということをしっかりと伝えたいし、実感してもらわないといけないよね。

M.M M.M

そうですね。あとお子様向けのおもちゃではありますが、老若男女問わず愛されるおもちゃであってほしいなとも思いますね。

H.T H.T

それこそいろいろな想いを乗せて生み出したブランドなので、形はいろいろ進化したとしても、ブランド軸はぶらさずにこれから先の未来にも残っていってほしいなと思います。これは三優ライト工業として新しい1つのきっかけだと思いますしね。

A.K A.K

やっぱりたくさんの人に買っていただいて愛される商品にしていきたいですよね。モノとしては出来上がっているので、これをいろいろアレンジしながら。三優ライト工業として新たにチャレンジした事業なので、今後1つの柱として成り立っていく成功事例にしたいです。

F.J F.J

これからも環境に優しく、教育にも効果的に役立つ商品になってほしいなと思いますね!

S.M S.M

ブランドが長く続いていくためには、何かにつまずいた時に諦めないことだと思います。そして、みんなに愛されるブランドにあるものはどんなことかと考えた時に、私は作り手の環境だと思うんです。みんなで楽しく作ることで自然とその雰囲気が商品に表れて気持ちが伝わるんじゃないかなと。なので、今このチームで作れている商品は今後もずっと続くし愛される商品になると確信しています。

T.M T.M

せやね。今後も100年企業を目指して、例えば社員の家族、息子さん、娘さん、孫も含めて、各世代に愛され続けてもらえるブランドでありたいなって思うね。

A.K A.K

100年!創業100周年のタイミングでどうなっているか楽しみですね!

T.M T.M

やっぱり三優ライト工業は従業員の皆が居てくれてこそ。そのためにもこのブランドを多くの方に知っていただいて「Poco a poco」だから買うというように、そしてこれから先の未来にも存在し続けるブランドでありたいね。だからみんなで少しずつ、少しずつでも広めていって、どんどん新しい製品を作っていきたいなと思っています!